60 【半身内】星狩りの国14村再戦企画
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(+152) 2022/10/06(Thu) 16:38:39
「昔東方の国で食ったら美味くてさ。実はけっこー好き。でも日持ち悪いのがネックなんだよなァ」
「へー」とポテトフライを齧る。相変わらず興味のなさを隠さない奴だ。
「チェスたんも、もうちょっと俺に興味持ってくれてもいいんだぜ」
「ハイハイ。チェスたん言うな」
「そっけねー」
言いつつポテトを横からつまめば、それには「あ」と反応する。コイツの7割くらいは食い意地でできてるんじゃねえかな、と俺はたまに思う。
(-83) 2022/10/06(Thu) 16:38:53
「ん? フィアンメッタは?」
酒場の喧騒の中に姿が見えない気がして見渡す俺に、ユスターシュがそっと隅を指し示した。目を向けると、椅子に座ったまま俯いて微動だにしないフィアンメッタがいた。一見すると酷く落ち込んでいる画のようにも見えなくはない。
「……寝てんのか?」
「そうみたいだね。やっぱり疲れたんじゃないかな」
誰かが親切心でかけたのだろうが、肩にかけられた毛布らしきものが赤色をしていたせいで、一瞬見落としたらしい。
「あれ、ダリルのマントじゃねえのか? 大丈夫か?」
見覚えのある染めと刺繍に思わず眉を顰めると、ユスターシュは何が面白いのかまた笑った。
(-84) 2022/10/06(Thu) 16:39:22
【見】 参謀 スカリオーネは、盗賊 チェスティーノ私はしょっぱめの方が好きです。どうぞ。「濃厚な甘さの卵焼き」
(a11) 2022/10/06(Thu) 16:39:29
[仲良しだな〜と眺めながら]
ボヤッと垂れ流すけど、つまり俺ってそんなに黒を疑われて無かったんだなというのは知ったが(完全なるヒルト効果)メッタやイヴの言うみたいなアクロバティック真綿で首を絞めるの好き狼みたいな印象ってどこから? 議事から?
(52) 2022/10/06(Thu) 16:40:01
「持ち主が誰であろうと、ああしてかける分にはただの布だよ」
「その言い方の時点で、諜報屋が電池のことをどう思っているのかが透けると思うのだがー」
「俺は何も言っていないのだがー」
ウズメの口調を真似て俺が追従すると、チェスティーノもポテトを頬張りつつ「ダリルが可哀想だと思うのだがー」と追撃する。
「何で私は責められているのかな!?」
大袈裟な仕草で驚きを露わにするユスターシュの腕がマグに引っかかって、マグが高い音を立てつつ床に転げ落ちてしまった。
「おわぁ!? すんません!!」
幸い中身は大して残っていなかったが、慌てたユスターシュの大声に反応して給仕がモップを持って駆け寄ってくる。マグを拾い上げつつ、床に広がったラガーを避けるように俺は足と椅子をズラした。
「ユスターシュ」
議論テーブルの方から聞こえてきた、決して大きくはないがよく通る声に俺たちは顔を向ける。
「静かに」
リュディガーは唇の前に人差し指を立てた。
(-85) 2022/10/06(Thu) 16:40:32
(-86) 2022/10/06(Thu) 16:41:07
「私の声ってそんなに煩いかな……」
「少なくとも今のは喧しかったと思う」
ついマジレスしてしまったせいで、ユスターシュは「うっす。すんません」と肩を落としてしまった。可哀想に。
床のラガーを拭き終わった給仕が、新しいマグを持ってくる。チップを渡す様子を眺めながら「次は落とすなよ」と言うと、ユスターシュは無言で首をすくめた。
「床に落ちただけ寧ろいいんじゃね。もしテーブルにぶち撒けてたら、私はあんたを許さなかったかもしれんわ」
そう言うオリエルダは、広げた描きかけの地図に定規を当てる角度を吟味している。覗き込んでみると、なんとなく見覚えのある地形のような気がした。
(-87) 2022/10/06(Thu) 16:41:10
(-88) 2022/10/06(Thu) 16:41:22
つまり、GSを書くと言うことは人生を書くと言うこと?
(+153) 2022/10/06(Thu) 16:41:38
「もしかしてそれ、こないだ西の森奥で見つかったダンジョンか?」
「そうよ。よくわかったわね」
「行ったことあるからな。へー、こっちの方はこうなってたんか」
せいぜい職人や測量士の護衛程度しか地図作成には関わったことがないので、測量技術についてはわからないが、それでも大したものだといつも思う。
食い終わった皿を片付け、作成中の地図を見せてもらう。ダンジョンの周囲とダンジョンの中で分かれているようだ。
「……なあ」
「なに?」と顔を上げたオリエルダに、地図の一点を示した。
「なんで北にあるはずの湖が南にあるんだ?」
「……貸して」
渡すと、測量中に取ったのであろうメモと見比べながら暫く唸り、納得したのか眉を下げた。
「どうやら間違えたようね」
(-89) 2022/10/06(Thu) 16:41:52
「えらく派手に間違えたなァ」
俺の言葉に、オリエルダはペン尻で頭をかきながらため息をつく。
「別にこのくらい派手ってほどじゃねえよ。魔王城と王城を間違えるのに比べれば大して怒られやしないでしょ」
「それは比べるものではないと狐の神使様も仰っているのだがー」
ウズメ、いやウズメが声を聞いている?らしい神使サマとやらの言葉に俺は肯いた。
「ここ結構釣り場としていいんだぜ。ちゃんと直してオススメって書いといてくれよ」
「書かねえよそんなこと。観光マップじゃないんだから」
「いやいや、途中で食料確保するのにも使えるんだって」
「ああ……ふーん、なるほど?」
俺の案は採用されるのかどうかはわからないが、オリエルダのメモの中には加わった。
(-90) 2022/10/06(Thu) 16:42:30
「ちなみに、何が釣れるんだい?」
やり取りを眺めていたユスターシュが訊ねてくる。
「そりゃ湖で釣れるのはマスだろ。あとあそこだと、ラーイキリュシュっていうちと変わったヤツが釣れたことはあるな」
「へー、美味いんか?」
それまで興味なさそうにツマミを頬張っていたチェスティーノが口を挟む。
「美味かったけど、面倒くせえから食う目的で釣ろうとはあんま思わんな」
「面倒って?」
「魔魚だからな。殺すと魔石になっちまうから、殺さず削いだ身しか食えん」
「そりゃ確かに面倒くせえや」とチェスティーノはフィッシュフライの骨を吐き出した。
(-91) 2022/10/06(Thu) 16:43:14
(-92) 2022/10/06(Thu) 16:43:22
パァンッと突如響いた破裂音に、思わず腰を浮かせて剣に手を伸ばす。しかし見渡してすぐに原因がわかり、体から力を抜いた。
ダニーが誤射した音だ。いつものことである。
「あ、当たった!?」
「隣の的じゃねえか!」
「オイオイ、マジでたまには当ててくれねーと賭けにならんぜ」
博徒共がやいのやいの騒いでいる中、流石に目を覚ましたのかフィアンメッタが珍しく目を大きく開けてきょろきょろしている。そして自分の肩にかかっていた布に気付き、なんとも言い難い表情をしたのを俺は見なかったことにした。
(-93) 2022/10/06(Thu) 16:43:43
狼は確かに探さないよね。村の村を取る。
手をつなぐ意識は特にない。
手をつなぐって……どういうことだ……?
(-94) 2022/10/06(Thu) 16:44:35
「次こそは当てる!!」と豪語しているダニーに視線を戻したその時、ダニーの帽子が吹っ飛んだ。
「へ?」
何が起こったのかわかっていなさそうなダニーの背後で、帽子が壁に縫い留められている。あれは、イルムヒルトの針だ。
「無闇に撃ってはいけない、と言っただろう? もう忘れたのか?」
ぎぎ、と軋む音がしそうな動作で声の主の方を向いたダニーは、静かな怒りを発露するイルムヒルトと目が合った。
「ひえ」
じり、とダニーが一歩下がれば、イルムヒルトが一歩距離を詰める。プレッシャーに耐え切れなくなったダニーが駆け出すが、数回瞬きした頃には取り押さえられていた。
「ちょ、絞まってる! 首絞まってるから……っ! ぐえっ」
「灸を据えるとも言ったはずだ」
イルムヒルトから逃れられる筈がないのに馬鹿だな、と呆れた目で見ているのは俺だけではない。調子に乗せたのは博徒共だろうに、助ける様子もなくゲラゲラと笑っている。
「酔っ払いというのはどうしようもないという」
「酒場だからな」
「酒場だからねえ……」
同時に言ったチェスティーノとユスターシュは顔を見合わせた。
(-95) 2022/10/06(Thu) 16:45:00
(-96) 2022/10/06(Thu) 16:45:13
「疲れた時には甘いものだ! ミルクレープがあるぞ! ……ヒルトも食べるか!?」
ダリルに呼ばれ、イルムヒルトはダニーを解放した。ダニーの手からは当然ながら銃は取り上げられている。
ダニーはしくしくと泣き真似をしているが、イルムヒルトが気にかけるわけもなかった。
テーブルでは、既にブリジットは一口食べて頬を緩めている。
「ありがとうダリルくん。美味しいね♪」
「あまくて おいしい」
ゲームマスターのピギーも一緒になって食べているところから、完全に一度休憩をとることにしたらしい。……ところで、着ぐるみのはずだがどうやって食べているのだろうか。
(-97) 2022/10/06(Thu) 16:45:30
騒がしい夜が更けていく。
ゲームの決着まではまだ少し。それまでの間は、酒でも飲みながらのんびりするのがいいだろう。
ここは城下町の酒場なのだから。
(-98) 2022/10/06(Thu) 16:45:56
……ハイ
今1960ptです
2768-788
全然足らんやんけ!!!!
(-99) 2022/10/06(Thu) 16:46:47
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