[酒は一滴も飲ませてないはずなのに酔っ払ったようなテンションで語るじーさんは楽しそうだ。
仕事では向こうが客だったり、逆にこちらが器を好む客だったり、尊敬する職人で、友人で、その子供もまた歳が離れていても呑み友になっていく。
ふーん、と目を細めてチーズを摘んだ。
孫(女の子)が生まれた時は写真を見せたらしいから、つまりおっちゃんは仮面の中身の赤ちゃんの顔は知っていることになる……マジか。
酔っ払い同士だろうし、どこまで向こうが覚えているかは別として、小っ恥ずかしい話である。]
さっさと腰治してまた飲みに誘えば?
[そうしよう、とじーさんが意気込む。
まだまだ元気いっぱい、死神は来なさそうだ。]
あと焼き芋だけどさ、オレ焼くの得意かも。
ぜってーじーさんより上手いわ。
[やり合っていたらかーさんが止めにきた。
いよいよ明日はフードフェスタ最終日。
最初はひたすら面倒で、芋焼くなんて怠いとしか思っていなかったが、今は明日も売れれば良いなぁと思ったりしている。なんだかなー。
うん、じーさんに自慢できるし。そういうことだ。**]