────幼いころに与えられた手術痕は成長につれすっかり消えてしまった。我が半身を切り分けた証は記憶の彼方。決めたのは○○。選ばれたのは、○○嗚呼、唯の一片として生れ落ちることの叶わなかった愛しき兄弟よ!スクリーンの向こうには、鏡の向こうにいるのは紛れもないきみだ。僕は、俺は、きみの生を全うするために生きている。垂乳根の母の望む儘に。────