豊久自身、すこし年の離れた末っ子として大切に扱われてきたが、
上記が複合的に絡まった結果、若干の家庭不和が続く。
料理を始めたのは好奇心と、消耗する母が少しでも楽になればいいと思ったから。
兄が外れると跡取りとしての期待は豊久自身にもかけられ始めたが、
彼自身は特段希望しておらず、何より姉の妨げになりたくない気持ちが強かったため、
子供ながらに自分には向いていないと印象付けるよう振舞い続けてきた。
「プロになれそう」的声度々頂いて助かってたんですけど、反応は鈍い。
外の人に言われる分には普通にお褒めの言葉ありがとうの気持ちですが、
家の人は跡を継がないにしても安定志向を求めていることを彼は重々承知しているので、安心させるための定型文と笑顔装備。
そもそも仕事にする気が生まれる環境下にない。
お兄ちゃんは結局どこまでいっても弟以外とうまくいかず、現在は家を出ている設定。
姉は医大生です。年の差は5歳くらい。
親類の陰口から自分の妊娠が当時の母にとって想定外のもので、キャリアの妨げとなったのではという引け目、若干の傷を無意識にひっそり引き摺っている。