俺の手を引いて自室に向かう父親の背は酷く頼りなく見えたし、垣間見たその横顔は真っ白だった。 訥々と語られるその話を大人しく聞いていた。 沈黙に耐えるのが辛いほどには幼かったけれど、体育座りをしている俺の隣には行儀良く正座をしている兄がいる。つんとすましたその表情を見習って、話が終わりと言われるまでただ、ただ静かに。