星狩りの国

168 余寒の村【星狩142村再戦企画】


【独】 【謀】 参謀 スカリオーネ



 端的に云えば、二人には向かう処敵無しだった。

 暴力の化身と呼ぶべき者の背後に参謀役が在り、
 考えに行き詰まった際には相棒の勘が頼りになった。

 元来懐っこく気の利く質だったらしい彼奴は
 直ぐに組織に馴染んで誰からも愛された。
 その面倒見の良さと佇まいの啻ならなさを買い、
 いずれアンダーボスの席を譲っても構わなかった。

 歳も背丈も変わらなかったが、
 その頃既に群狼の氏を授けられていた私は
 彼奴にとってどうしようもなく護る対象だったらしい。

 血の雨の烟り続ける裏路地でお互いの心を守りあった。
 互いの心をふたりの三番目に大事なものとした。
 兄弟である前に親友であると思えればそれで良かった。

 

(-114) 2024/02/27(Tue) 05:26:25

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