「成功だヨ、あんたたちの出してきた依頼は。知ってて聞くなんて趣味が悪いネ」
仕事において確認は重要だ。言質を取らせることもだ。
「そりゃ悪いネ。契約も投げっぱなしの助手なもんでサ。でもだいぶいいダロウ?老衰で死んだ双子の片割れとは思えないハリツヤ。」
風が室内に吹いた。窓は全部開け放たれているのに、外の赤が室内に一切侵入していない。オークのタンス、活けられた花と花瓶、少し年季の入ったカーテン。リアルが室内を支配している、一層不気味に感じれた。
「どうでもいいという顔を向けるな……全体のフローは別の部屋にある。後で見つけといてくレ。」
「そんなことより、他にやるべきことがあるダロ?」
私は、銃口を女に向けていた。
「そうだ。こういうことが”おかしい”って言われる世界のうちに、サ・・・」
窓際から、緋が室内に垂れ始めた。