ひとりで、逃げて、ごめん。
…きっとおまえなら大丈夫って、甘えた。
そんなはずないよな…
[頬を辿り、頸を辿り、腕を辿って、自分の胸ぐらにある手に触れた。
もっとぶつけてくれてもよかったけれど、一言だけは伝えたかった]
信じてくれるか知らないけど…
俺も、ナオアキのことがどうでもよかったことなんて、一度もないよ。
[どうでもよくなくて、その痛みは自分のことのように響くから、だからこそ無理にでも共感を断って、目を背けていたなんて。
──弱すぎて笑えてくる。
そう思ったのに、なぜか少し、視界が滲んだ**]