[男は成果には概ね満足していた。なぜこの星に古いAIが埋まっているのか? かつての戦争においてどのような意味を持った星だったか?その詳細までは判然としなかったが、もとより判然とするわけがないのだ。][男は歴史が好きだ。歴史とは去ってしまったが最後、口を閉ざし、自ら語るということをしない。歴史の資料は断片でしかなく、本当にそこにあったものを知ることはない。だから好きなのだ。断片の果てに思いを馳せたとき、途方もない気持ちになる。だから男も語らないのだろう。歴史に倣って。]