[資料を回収または転記し終え、男は満足気に額を拭った。データの保持に関してはどこもかなり堅牢だが、まさかこんな手間ひまかかる古代の方法で情報を持っていくやつがいるとは思わないらしい。火事場泥棒もいいところだが、そもそもこれらの情報を重要と認識している人のほうが少ないがために、男はやりたい放題を今日まで続けていた。どうせ今の人類は生きるためにやるべきことなど一つも持ち合わせてはいない。夢を追うくらいは自由だ。男はそそくさとパーティ会場を去ることにした。]