>>382 ジュリオ
[目の前に差し出された薔薇の紅い色は、
まるでいつか見たヒトの血の色のようで]
……あっはは!
本当に不思議な人ね、アナタ。
吸血鬼って昼は動けないのかと思ってたけど
早寝早起きだし、人間の食事もとるし。
───だけど、そう…ね。
意外とアナタの口説き文句、嫌いじゃないの。
賞金稼ぎなんて全くフツーの女じゃないけれど、
それでもいいなら。
アナタの長い人生のうちのほんの少しの間、
付き合ってあげてもいいわよ。
[薔薇の花を受け取って、花びらに口づける。
狂った証の紅い瞳がきらりと光った。]