星狩りの国

33 終末文庫プロデュース「トワイライト・リライト」


探偵部 秋月壮真

談話が踊りて幕開く
人との会話も最中ままに。探偵は緩くに窓を見る。四角窓の外では景色が走る。目的地も見えぬまま。只只只々疾駆する。否応もなくそうするように
心地良かった境界線は。とうとう解けて消えてゆく

黄金未満に始まる推理劇
時よ黄金たれとぞ願う誰かが始めたか。いつか価値ある金へとなれるのか
動かぬ時間は金に満ちるか鉛の棒か
永久足らぬ時の中。賜る時が廃れる前に

郷愁はいついつまでも遠くあり。今日のこの日は確かにあるか
朧の苦みは青き匂い。春はとうとう過ぎ去りいって
黴が香るわ弥涼暮月の群像物語

大人でも子でもない己らは、黄昏に似ている

確からしさは手に握ったが役札のみ。各々にとってそれが真実。偽り笑い。真が虚ろに虚ろが真。
名探偵の目は見抜けるか。それとも黄昏境に眩まるか

楽しき時間の幕間が幾夜。侘しさ乗せた真相は
終りの間際にかく語られよう

(353) 2022/06/17(Fri) 21:57:20

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