[ギターを背負ってバイクに跨る
カッコいい。そんな思いが先走るけれど
現実は何かがあった場合に逃げられる手段があるか?
というリアルを追っていて
どうしてそんな事を考えてしまうのだろう
夜が開ければこのツアーは終る筈なのに
警鐘が漣のように心を叩いている気分だった
身体に纏わりつくような血の匂いは消えていない
昇降口を跨げば、保健室あたりに今夜の陣を敷こうかと同行者へ持ちかけてみる。布団は流石に使えないかもしれないが、なんかこう、使える医療品とか手に入ればラッキーだし。一階で逃げ場も多いし人の気配にも気づけるかなって気持ちで、そちらへ向かうつもりでいた]