[足の赴くままに通路を歩けば、やがてざわめきが近付いてくる。 幾人かの姿も、視界に入り始めた。 どうやら、早過ぎたということもなさそうだ。] お邪魔します。[小さく声を掛けて、そうっとラウンジへと滑り込み、壁際のソファへ。 楽しい歓談の邪魔をしないよう、と気遣ってしまうのは、年齢を重ねてからついた癖の筈だけれど、どうやら今も健在のようだった。]