[地形も距離も何もかもがおかしい。まるで入ったら形の変えるダンジョンを進んでいるようだった。]…春陽さーん!……春陽さーん!![名前を呼んで、道を行く。まだ約束がある。まだ一緒に居たい。だから、走った。追いついても何も言える言葉はない。ただ、また会いたかっただけだから。スタート地点の民家にまた辿りついて。学校の中庭を走り抜けて。レストランの隣を走って、走り続けて。怪異も人影も無視して走り、探し続けて。春陽さんを見つけた時、すべては遅かった。]**