>>210彩葉
「はっは。そうさなぁ。当然よ。胸の内まで見抜いてみせよう」
見透かすように女史を見る。じっと瞳を合わせてみては。女史の声に合わせて楽しむように諳んじる
「例えば女史の正体が。未来人だったり亡霊だったりするやもな?
いつもふわふわしておるからのぅ。あぁ、決して嫗めいてると言ってる訳ではござらんが。お主は興味深くて目が離せんよ」
その言にあるのはどこまで本気か冗談か
逸らされた目線にからかう口がより滑る
「然り然り
猛き青春今ここにあり。郷愁めいた目を覗かせず。遠くを見んと今を見よ。探偵が所業。しっかり見聞きし未来に覚えい」
ずいと顔見る野暮はせず。口元にのみ笑み携える
萩野目教師の声聴こえれば>>#9
「では己らも向かおうか。はぐれぬように。遅れるように」
緩く彩葉の手を引いて。抵抗なければほんの少しだけ握る手強め。少年少女はここにありとぞ伝えるように。温い熱が今伝え
到着の音鳴らす電車へと。共に行かんとするだろう