>>187 秋月くん
あら、名探偵さんの観察眼でよく見られたら、自分でも知らないことまで全部見透かされてしまいそうね。
[誰にもきっと信じて貰えないだろう秘密に気付くなら、この人はきっと世紀の名探偵どころか、超能力者。
いくら何でもそれは無理だと思うのに、もしも気付かれたのなら、少しは気が軽くなるのかもしれない、とも心のどこかで思う。]
探偵さんの好奇心を満たせるようなものが私にあるかしら?
[いつしか、戯れるような声音になっていたかもしれない。
だが、ぽつりと呼ばれた自分の名と、不意の問いかけとに、繋いだ手に視線を落とせば、少年の手に握られた自分の手が、紛れもなく少女のものであることを実感してしまった。]
…そうね。確かに、これは青春という感じがするわ。
そう言われてみると、何だか急に照れてしまうわね。
[笑みを浮かべていた筈の顔にどんな表情が浮かんでいるのやら、自分でもわからなくなって、思わず目を逸らした。]