[飢饉の年には、村に偶然足を踏み入れた旅人を捕らえて食すこともあった。いつの頃からか、近隣の村々ではこのような噂が流れるようになった。「星捨村には鬼が棲む」と。穢れた魂(たましい)が肉体を得て鬼(おに)と成ったのか。それとも死して半身を失った鬼(おに)が魂(たましい)となり彷徨っているのか。今では誰にもわからない。]