「じゃあ、踊ろう! たこ焼きも、焼きそばも、りんご飴も。 たくさん食べたね、楽しかったね!」言いながら、泣きたくなってきた。ああ、この日が終わらなければいい。ぼくはきっと、この日のことを一生忘れないんだろう。握り返してくれた手を、薄闇のなか、ぼくだけを見てくれる目を。「大好きだ」ひとことだけ言って、ぼくは兄ちゃんの手を握ったまま、後夜祭のダンスに走り出た。[〆]