>>159 クィニャオ[客人の一人が見せた万年筆を見れば、ぱっと笑顔が宿る。そそくさと近場の椅子を引き寄せ、クッションを敷いて差し出した。他人のものをふんだんに用いた精一杯のもてなしである。][さらに続く言葉には、首を何度も縦に振った。][もはや烏賊のおかわりまでとってきてやる始末である。][もっとも、男の書いているメモの文字を覗き込んだところで、読み取れるのはおそらく本人だけだろう。何せ、散らかった文字という言葉が適切だから。]