僕の復讐譚ももうすぐ完結だ。
この手で僕の仇をすべて葬ることは叶わなさそうなのは心残りだが、君の仇は間もなく皆、処刑される。
その過程で、僕も処刑されてしまうがね。
だが今は、君の仇を討つことができたことと、君のところへ逝けること。
その悦びだけが僕を包んでいるよ。
…いや、君と同じ所へは行けないかな?
復讐の過程で、無実の舞君や、霊能者にも手を下してしまったからね。
人の命を救うことが使命の君とは真逆のことをしてしまった僕は、そちらに行けないかもしれないな。
もし君がここにいたら、君は僕に、どんな言葉をかけてくれるだろう…。
無実の人間まで処刑してしまったことを怒るだろうか。
復讐に身を焦がした僕の境遇を嘆くだろうか。
いや、君ならきっと、黙って僕の淹れた珈琲と、君の焼いたスコーンを味わいながら、涙を流すのだろうな…。
君は優しいから…。