それは、なんとなく。ちょっとした気の迷いだろう。
炭酸水に青のシロップ。持ち上げてみても夢とはてんで違くて。
そのままグラスを持ち出し、先にある展望車に向かう。
扉を開けると拓けた視界に、またたく星々。
ほう、と息をつき腰を下ろすと、少し遠くに先ほどの画面を表示させ再び空を見上げる。
馴染みの月から辿る様に、不慣れに指で、ひい、ふう、みい。
とりわけ目に入る光をなぞっていく。
足りないような?と首を傾げ説明を解くと、なるほど。目視じゃ捉えられぬものもあるらしい。
写真をぱしゃりと一枚撮ってメッセージアプリに流し込み、背もたれに身を預けた。
掲げたグラス。気泡はまだ元気な様で、しゅわりしゅわりと弾けている。
それはまるで夜空の様で。 暫し眺めて口をつけた。