[彼女の姿を僕から隠すように、家の中にまで白い霧が漂っている。玄関を開けていたのが悪かったのか。>>2いや、どのような状況であれ、きっとこの霧は入り込んできたのだろう。歩みを進めようとする足に、霧が纏わり付く。まるでとりもちに引っかかった虫のようだ。] ――宵闇くん、イコマくん!![玄関前に居るであろう二人に向けて、声を張り上げる。そこにはもう誰も居ないことなど、いまだ知らずに。]