[────修学旅行当日。 集合場所に近付くに連れ、線路の傍らを彩る紫陽花は疎らになっていった。ローカル線から乗り換える二階ホーム、肌寒さの残る大気は雨の匂いを孕んでいる。「おはよう」とささやくのは中性的な声。バンダナを編み込んだヘアスタイルはこの国の流行りじゃない。]* (それでいいの。 此処に在る限りは、私は私だから。)