[己があらゆる点で少数派なのは理解している。こんな狭い田舎でさえ共通の敵を作りたがる。異邦の風貌を宿した自分に初めから「紛れる」なんて選択肢はない。 悪意がない分、子供の社会は多少はマシだった。 此処でなら少しは自然体で居られた。 奇人変人の類が名を連ねる学園では 何となく「普通」側の気分になれる。 ────他の生徒に較べれば、秀でたものもない。 だからこそ気侭に過ごせていた。] [ モラトリアムには終焉がある。 回避しようのない黄昏が。 ]