[ベッドの輪郭をなぞっても、引き延ばすための電話の線は見つからない。
立ち上がり日除けのふちを引き上げれば、生まれたばかりの光たちが一斉にとび込んできて。暗がりはベッドの下に追われて眠りにつく。
ある筈も無かった五度の夕焼けの先の朝には、修学旅行が待っている。
いつものようにノリの良い連中に混ざってもいい。何だかんだ喋り疲れたぶん、もの静かなとこに引っ付かせて貰うのもいいかもしれない。
武藤とかなんだか垢抜けたやつだから、ついていけば自分じゃ思いよらぬ行き先に当たるかもしれないし、
『修学』の名分のために組まれたらしい史蹟巡りのプリントも、彩葉に聞けばきっとすぐ埋まるだろう。
堀江に飯のお礼がてら何かを奢ってもいいし、どこかで大槻には『マジ何時VS個人勢〜悶絶地獄変!魔王様大爆発〜』の切り抜きを見せねばない。]