[流れゆく車窓の景色を眺めていれば、やがてこの列車の終着地の特色が濃くなっていく。 この町に来るのは、本当にこの修学旅行が最初で最後だった。 懐かしい面影をなぞって鮮明に脳裏に描く作業を、ここでもきっとするのだろう。 記憶の中の存在だった筈の愛すべき面々と、懐かしくも新しい時間を刻む旅は、まだまだ始まったばかりなのだから。]