もうすぐお別れね、ありがとう。[本当は一夜の付き合いだった筈なのに、予想以上の長い時間を共にすることになった寝台特急のシートを、そっと撫でる。 トライライト・リライト号は20XX年にはとうに廃止になってしまっていて、こんなことでもなければ、人生で二度目の乗車はなかっただろう。 奇跡が重なった再会への感謝と、長い時間のトンネルを走り続けた車体への労いを込めて。]