あ、いや――…、[ハンカチを渡せば、さらに涙がぽろぽろと。こういう時、なんと言えばいいんだろう。物語の中でなら、キャラクターに語らせるなら、どんな台詞でも出てくるというのに。現実の僕は、こんな時に浮かぶ台詞もないのだ。] いいんだ。謝らないで。[慰めるように肩に手を置きはしたものの、やり場に困って視線は逸らし気味に。きっと、泣いている姿を見られたくはないんだろうから。]