[だからこそ、無理なのだ。
トモダチと言う言葉の中ですら虚飾に満ちているのに。見せて来た姿の全部が、誰かになっているだけの自分だった。
この夢に似た世界が閉じた後では。会える筈も無い。再開の奇跡があったとしても。会うべきでは無い。
──それならば、初めから会わなければ良かった。
そう断じれる程、夢を見た少年の感情は成熟してもいなかった。
会えて嬉しかった。楽しかった。
また会って遊びたかった。トモダチとして馬鹿な事だってしたかった。
本来の自分ではない、騎士だから出来た友達なのだともどかしかった。
終われば離れる、仮初なのだと苦しかった。
けれどその全部は。夢に溶けて消え行くものだと諦めよう]
嫌とかは、言わない。キミがつくる料理は、悪くはなかったし。
遊んでたら、それなりに、だし。
けど。このボクと会うのは、もうきっと無理。一生、絶対。