星狩りの国

33 終末文庫プロデュース「トワイライト・リライト」


探偵部 秋月壮真

だから楽しく語ってやろう。老婆の大切を手に取って見つけてやろう。秘密を持つ者おれば偏執が如く暴いてやろう。語りし推測が真実かどうかはどうでも良い。虚ろが膨らみし菓子にかぶりつく者おれば、そやつにとってはそれ以上ない甘みだ
楽しく納得出来る真実を拒否する人間なんておらんだろう?

その根底にあるのは諦観と知っている
オレはどこまで行っても、オレの探偵に出会えない

“己”は好奇心旺盛で、劇調めいた口調をして。どんな荒唐無稽でも真実の様に信じて暴いて語ってやろう。

未来人も信じてもいなくても面白おかしく話してやって
共演相手は喜んで場に立たせて踊りを明かす
猫菓子の行方は探偵として面白く明かしてやろう
恋愛劇めいた挑発は当然あった方が愉悦が出来る
劇場めいた暴露劇の中に、友情を覚えるのは己である探偵だけだ/役割を過ごす中に共感を覚えたとしても。それは黒幕の持つべきものではない

在りもしないような真実を付いて、それが真をついていたって、偽であろうが何でも良い
真実を冒涜して中身を抜いて、その中身を満たしてやろう

真実をいつでも握っているのは黒幕だ。掌の上から零れた真実でしか甘味を覚えられない探偵共。けれど、探偵がいなくちゃあ娯楽が成り立たない。探偵が語ってこそ、真実は真実になるのだから
ノックスは腐れ落ちろ。虚ろは甘味で満たせ。開かれた手の裏にあるものはテレビに映されない

(66) ハク 2022/06/25(Sat) 02:46:41

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