パァンッと突如響いた破裂音に、思わず腰を浮かせて剣に手を伸ばす。しかし見渡してすぐに原因がわかり、体から力を抜いた。
ダニーが誤射した音だ。いつものことである。
「あ、当たった!?」
「隣の的じゃねえか!」
「オイオイ、マジでたまには当ててくれねーと賭けにならんぜ」
博徒共がやいのやいの騒いでいる中、流石に目を覚ましたのかフィアンメッタが珍しく目を大きく開けてきょろきょろしている。そして自分の肩にかかっていた布に気付き、なんとも言い難い表情をしたのを俺は見なかったことにした。
「次こそは当てる!!」と豪語しているダニーに視線を戻したその時、ダニーの帽子が吹っ飛んだ。