「もしかしてそれ、こないだ西の森奥で見つかったダンジョンか?」
「そうよ。よくわかったわね」
「行ったことあるからな。へー、こっちの方はこうなってたんか」
せいぜい職人や測量士の護衛程度しか地図作成には関わったことがないので、測量技術についてはわからないが、それでも大したものだといつも思う。
食い終わった皿を片付け、作成中の地図を見せてもらう。ダンジョンの周囲とダンジョンの中で分かれているようだ。
「……なあ」
「なに?」と顔を上げたオリエルダに、地図の一点を示した。
「なんで北にあるはずの湖が南にあるんだ?」
「……貸して」
渡すと、測量中に取ったのであろうメモと見比べながら暫く唸り、納得したのか眉を下げた。
「どうやら間違えたようね」