………………え、[先に違和感を覚えたのは、嗅覚。霧によって視界を塞がれた中で、嗅いだことのある匂いが確かに漂ってくる。] どう……し、て……。[とにかく新恵を安全なところに届けなければ。この村の中で、安全なところなんてあるのだろうか。誰がどこにいるかもわからない、連絡手段すら信用ならない今、それならばせめて神社に彼女を連れて行こう――…そう思って歩いていたはずなのに。]