[時の流れにしみじみとしつつ、問いかければ子供の頃と同じ笑顔で是が返り。
こういうときの顔は変わらないんだねぇとほっこりしつつ、
手にとったおにぎりを網に乗せ、ぱちぱちと音を立てながら片面を焼いている間
常はここで刷毛を手に取り醤油を塗るところ、代わりに取ったのはお玉。
土手煮の鍋から味噌の汁だけを掬った器に、新しい刷毛をそっと浸して
網の上、ひっくり返して軽く焼けたお握りの表面にそっと塗り、
またひっくり返して塗りを3,4回繰り返せばふわり漂うは甘辛い味噌の匂い。
かるーいおこげも出来たところで、白ごまをぱらぱら散らしたものを皿に取り]
はい、お待たせ。
熱いから火傷しないように気をつけて食べるんだよ?
[差し出した皿と割り箸、手ごとつかむ勢いで喜び受け取る彼女に笑い
友達と食べてくるーと立ち去るその背に楽しんどいで、と手を振り見送ったのだった**]