[ここまで来てもこちらの名前を名乗らなかったのは、正体を隠しているからでも、魔術師としての体裁でも勿論なく、単に忘れていた。
まぁおっちゃんも聞かなかったのだから良いだろう。
なんてったって、オレたちは『うどん戦友』なのだ!]
なっ、最近の紫芋やるよなぁ。
それは期待の新星らしいぜ。
あとうちの焼き方もいいってことで。
[おっちゃんの反応に気を良くして頷く。
うちの焼き芋に美味そうにされるのは悪くない。
茶屋におっちゃんが向かった後は、どんなものが出来上がってくるのか内心ソワソワワクワクしながら、魔術師流の接客をして過ごし…
(昨日泣いたチビどもが今日はニコニコやって来た。成長はいいが、ローブを引っ張るのはやめろ! オレはアニメの悪役じゃねぇ!ゴッコ遊びなんてするか!)]