5冊目のスケッチブック。今年半分使ってきて、ずいぶんとくたびれてきた最後のページが埋まらない。真っ白というには何度も捲って縒れてしまったそのページはぼんやりと滲んで見えた。描いては消し、書いては消し。もう良いか、と、思いはしても諦めきれないまま。結局丸ごと持ってきてしまった。鉛筆の削りカスで灰色に染まった指先に視線が落ちて、喧騒の中で佇んだ。集合場所には教師と見慣れたクラスメイト、合わせて3人。足元にカバンを置いて、柱に背を預け。スマートフォンのカメラを起こす。