カバンの中に詰め込まれたのはスケッチブック。ずっしりと重いそれらは端が擦り切れ黄ばみ、長い間使い込まれた紙の風合いが出ていた。それが全部で6冊分。ずらりと整列してみれば、少しずつ日の焼け方で色合いが異なる。過去から現在へのグラデーションだと、気取り屋ならばそう表現するだろうか。こんなもの、修学旅行に持ってくる必要なんてない。ただ重苦しくって仕方がないだけだ。頭では分かっているし、バカだななんて詰め込みながら自嘲もした。だけど、持ってこなければならない理由があった。