[籠宮家で調べ物をしている時は、確かに使っていたのに。その後村を歩いている時には、ハンディライトの明かりをつけさえしなかった。霧に視界が遮られる中で、月の明かりも届かぬ夜の村を、どうして気にせずに歩けていたのだろう。自らの身に起きている異変を、今更ながらに実感してしまった。]