気づけば、あなたは部屋にいた。眠る前の記憶(こと)は朧げで、霞がかっているようだった。ふ、と窓の向こうに視線を向ければ、空は橙に染まっていた。黄昏(誰そ彼)と呼ぶには少し早い、夕暮れの空だ。小さなテーブルの上には、一枚のカード。「招待状」と記されたそれを、思わず手に取ることだろう。