[強く抱き締めてくれる腕>>161。
それは本来ならできない事なのだと気付いていて、涙が止まらない。]
[連れて行く。知っている方法は一つだけ。
まだ生きていた時の感覚が抜けずに、ここまで走ってきた私は、遠く離れた場所に移動できるとは思っていなかったけれど。
気が付けばそこは、先程までいた、黄泉への入り口で。>>162]
[行こう、と言われて。>>163
嫌、と、足を止めたくなってしまうけれど。]
――……はい。
[そう、笑む顔は。
やっぱり眉が下がって、少し悲しく歪んでしまったけれど。]
[しっかりと握ってくれる手、握り返して。
私は、戻れなくなる道へ、帰る。
今は、二人で。**]