ー佐田春夜・神社からレストラン付近へー
>>123
[女はこくりと頷いた。
そして、残していくカナと、間を置かずして命を喪うだろう少女をちらりと見やって。]
イコマさんを送り届けたら、迎えに来るよ。約束する。
[そう、約束だ。人ならざるものとの約束は果たした。
あとは生きるべき存在を文字通り死力を尽くして護る、そういう約束だ。
女はイコマの手を取った。そして時空を歪めて、歩き出す。
酷く揺らいでいる、酷く不安定な、男の気配に向けて。
そして惹かれる感覚を覚える。女はわずか、唇を噛んだ。
宵闇と自分は…否、イコマもカナも、自分と道を違えるだろう。
女は護るべき気配と、葬るべき気配を感じながら、足を進めた。*]