>>*4[もっとも厄介なものがいないことには、気づけなかった。彼はあまりにも、怪異から好かれていて。その中で一際強く、大きく、禍々しい。私のところへと残った怪異が、私を襲いにきたのではなく、もしかすれば、彼に憑いた女のような霊から、ただ弾かれただけの霊かもしれないだなんて。気づく由もない。目の前に対峙する怪異たちもまた、宵闇さんに惹かれ、憑いていたものだった。その数多の霊より、なお強い執着のある霊など、想像のつくはずもなかった。]