私は春陽ではない、佐田春夜という。
春陽はここにはいない、彼女は君を必要としない、心配することはない。
君も戻りなさい、そして他の人のところへ行くんだ。
春陽はむしろ、君のことを心配していたように思う。
君はここにいなくてもいい存在だ、取り返しのつかないことになる前に、いるべきところへ帰りなさい。
いや、帰れ。帰るといい。春陽のためを思うなら、そうしてくれ。
[最後は語気を強めて。
彼女の周りには死者の手がまとわりついている、彼女が現世に帰れるかは分からない。
それでも彼女はここにいるべきでない、それだけは確かなのだ。**]